サラリーマン法人設立と会社規定|就業規則で確認した5項目

サラリーマンが法人設立を考えるとき、税金や登記の手続きより先に確認すべきことがあります。それは、自分が働く会社の就業規則です。私が2026年に東京都内で法人を設立した際、真っ先に取り組んだのがこの会社規定の読み込みでした。兼業禁止・副業規定・役員就任の扱いを事前に把握しておかなければ、法人化後に思わぬトラブルが生じるリスクがあります。本記事では、私が実際に確認した5つの項目を順番に解説します。

サラリーマンが法人設立前に就業規則で確認すべき5項目

なぜ法人設立前に就業規則を読む必要があるのか

多くの会社員は、副業や法人設立を検討する段階で就業規則をほとんど読んだことがありません。入社時に渡されたまま引き出しに眠っている、あるいは社内イントラネットに掲載されているのに開いたことがない、というケースは珍しくないはずです。

しかし、就業規則は労働契約の根幹をなす文書です。法人を設立した後に「役員への就任は事前申告が必要だった」「競業他社への関与が禁じられていた」と発覚しても、後から就業規則を知らなかったとは言えません。法的には会社が就業規則を周知していれば、従業員は内容を知っているとみなされます。

私がAFP・宅地建物取引士として副業会社員や小規模事業者の相談を受けてきた経験からも、事前の就業規則確認を怠ったことで後悔した方は少なくありませんでした。準備の順番を間違えないことが、法人化を成功させる第一歩です。

確認すべき5項目の全体像

私が実際に就業規則を読み込んで整理した確認項目は、次の5つです。

  • ①兼業・副業禁止条項の有無と範囲
  • ②役員就任に関する届出・許可規定
  • ③競業避止義務の対象業種・期間
  • ④利益相反行為の定義と禁止範囲
  • ⑤副業収入の申告・報告義務

この5項目を順番に確認し、自分の事業計画と照らし合わせることで、法人設立後のリスクを大幅に減らすことができます。それぞれの読み解き方を以降のセクションで詳しく解説します。

私が2026年に法人設立したときの実体験と規定確認の経緯

会社員時代の副業から法人化を決意するまで

私がサラリーマンとして会社に籍を置きながら副業を始めたのは、前職での経験がきっかけでした。保険代理店に勤務していた頃、個人事業主や中小企業経営者の資産相談に多く携わる中で、法人格を持つことの税務・社会保険上のメリットを間近で見てきました。

その後、自分自身も副業収入が年間ベースで一定規模を超えてきたタイミングで、法人化を本格的に検討し始めました。2026年春、東京都内で資本金100万円の合同会社を設立し、インバウンド民泊事業を法人として運営する形を取ることにしたのです。

設立に際して私が真っ先に行ったのは、当時の雇用先の就業規則を改めて全文通読することでした。電子データで保存していた就業規則を印刷し、副業・兼業に関わる条文をすべてマーカーで引いて整理しました。この作業に費やした時間はおよそ3時間でしたが、後になって「やっておいて本当に良かった」と感じるものでした。

就業規則の読み込みで発見した想定外の条項

就業規則を精読する中で、私が特に注意を引かれたのは「役員就任」に関する条文でした。多くの会社員は「副業禁止」の条項に目が行きがちですが、実は「他の法人の役員に就任する場合は事前に会社の承認を得ること」という別条項が設けられているケースが少なくありません。

私が確認した就業規則にも類似の条文が存在しており、その内容と自分の法人設立計画を照らし合わせた上で、会社の人事担当者に事前相談する手順を踏みました。事業内容・関与の形態・報酬の有無など、具体的な情報を整理してから相談に臨んだことで、手続きはスムーズに進みました。

後から就業規則違反を指摘されるリスクは、会社員にとって非常に深刻です。最悪の場合、懲戒処分につながる可能性もあります。税務上の準備と並行して、必ず就業規則の確認と社内手続きを先行させることをお勧めします。なお、個別の就業規則の解釈や社内手続きの進め方については、必要に応じて社労士や弁護士などの専門家にご相談ください。

兼業禁止条項の読み解き方と副業規定の実態

「兼業禁止」の条文が実際に禁じていること

就業規則に「兼業を禁止する」と書かれていても、それが何を指すのかは条文の文脈によって大きく異なります。禁じているのが「他社への雇用」なのか、「個人事業・法人経営を含む一切の営利活動」なのかで、解釈がまったく変わります。

厚生労働省が2018年に策定した「副業・兼業の促進に関するガイドライン」(2022年改訂)では、副業・兼業を原則として認める方向が示されています。ただし、このガイドラインはあくまで指針であり、個々の会社がどのような就業規則を定めているかは各社に委ねられています。「うちの会社はガイドラインに沿っているはず」という思い込みは禁物です。

条文を読む際は、「兼業」「副業」「営利行為」「業務」などの用語定義が就業規則内のどこかに書かれていないかを確認することが重要です。定義条文が存在する場合は、その定義に従って自分の法人設立が該当するかを判断します。

副業規定が「届出制」か「許可制」かで対応が変わる

近年、副業・兼業を認める会社が増えていますが、その形式は大きく「届出制」と「許可制」の2種類に分かれます。

届出制は、副業を行う事実を会社に報告すれば足りる形式です。許可制は、事前に会社の承認を得ることが条件となります。サラリーマンが法人設立を進める前に、自社がどちらの形式を採用しているかを確認する必要があります。

許可制の場合、申請書類の準備や上長・人事部門への説明が必要になるケースがあります。私自身も、設立登記の前に就業規則の条文を根拠としながら、具体的な事業内容・予定する関与時間・本業への影響がない旨を文書でまとめて提出しました。この事前準備が、後の「会社バレ」リスクを合法的に解消する手段にもなります。副業確定申告20万円ルールの真実|私が5年で学んだ判断軸

役員就任と副業の境界線|サラリーマンが特に注意すべき条項

「役員就任」が副業禁止条項とは別に規定されているケース

副業・兼業の条項とは別に、「他法人の役員への就任」を個別に定めている就業規則は意外と多く存在します。会社員が自分で設立した法人の代表取締役や代表社員に就任することは、この条項に抵触する可能性があります。

合同会社の代表社員や株式会社の代表取締役は、登記事項として法務局に記録されます。登記情報は誰でも閲覧できる公開情報であるため、会社が意図せず把握するリスクが存在します。こうした「会社バレ」のルートを理解した上で、就業規則上の手続きを適切に踏むことが、リスク回避の根本的な対策です。

なお、合同会社であれば「業務執行社員に就任しない」「出資のみを行う」という形式を検討する方もいますが、実態として業務を主導している場合は役員就任と同等に扱われる可能性があります。実態と形式の乖離が問題視されるリスクについては、労働法に詳しい専門家に確認することをお勧めします。

競業避止義務と利益相反行為の確認ポイント

役員就任の問題と並んで見落とされがちなのが、競業避止義務と利益相反行為の規定です。競業避止義務とは、在職中および退職後の一定期間、会社と競合する事業を行うことを禁じる規定です。

たとえば、本業がIT系の会社に勤めているサラリーマンが、同じくIT関連のサービスを提供する法人を設立する場合、競業避止義務に該当するかどうかを就業規則と照らし合わせる必要があります。私がインバウンド民泊事業を選択した背景の一つに、前職の事業領域と重複しない業種であることを意識したという点があります。これはAFP・宅地建物取引士としての知識が実際の事業選択に活きた部分でもありました。

利益相反行為については、会社の取引先と自分の法人が取引を行う場合などに問題となりえます。就業規則に「会社の取引先との私的取引禁止」が定められている場合、インバウンド民泊に関する業者や仲介サービスとの関係も慎重に整理する必要があります。副業の確定申告で経費にできる領収書|5年で実証した整理術

まとめ|就業規則の確認から法人設立へ進むための手順

サラリーマンが法人設立前に押さえるべき5項目のまとめ

  • 兼業・副業禁止条項:禁止の対象が「雇用」か「営利活動全般」かを文言レベルで確認する
  • 役員就任規定:副業禁止とは別に、他法人役員への就任を規制する条項がないか確認する
  • 届出制・許可制の区別:どちらの形式かを確認し、必要な書類と手順を事前に整理する
  • 競業避止義務:設立予定の法人の業種が本業の会社と競合しないかを確認する
  • 副業収入の報告義務:収入の申告や住民税の取り扱いについて規定の有無を確認する

この5項目を就業規則で確認した上で、社内手続きを踏んでから法人設立の登記に進む。この順番を守るだけで、会社バレや懲戒リスクを大幅に下げることができます。就業規則の解釈に迷う点がある場合は、社会保険労務士や弁護士への相談をご検討ください。また、法人設立後の税務・確定申告については、税理士または所轄税務署にご確認いただくことをお勧めします。個別の事情により対応が異なるため、最終的な判断は必ず専門家にお任せください。

就業規則の確認が終わったら、登記の準備を始めましょう

就業規則の確認と社内手続きを完了したら、いよいよ法人設立の登記手続きに進む段階です。私が2026年に合同会社を設立した際、登記手続きはオンラインサービスを活用して比較的スムーズに進めることができました。

登記の書類作成は、司法書士に依頼する方法と、オンラインの登記支援サービスを活用する方法があります。費用感としては、司法書士に依頼する場合は報酬が5〜10万円程度かかることが多い一方、オンラインサービスでは書類作成のサポートを受けながら費用を抑えられるケースがあります。いずれの方法も、定款の内容や事業目的の記載には注意が必要です。

書類作成の手間を減らしたい方には、法人登記に特化したオンラインサービスの活用が一つの選択肢です。就業規則の確認を終えた後のアクションとして、ぜひ登記準備の第一歩を踏み出してみてください。

GVA 法人登記

筆者:Christopher/AFP(日本FP協会認定)・宅地建物取引士。2026年に自身の法人を設立し、税理士選び・顧問契約・決算までの実務を自ら経験。大手生命保険会社2年、総合保険代理店3年を経て、個人事業主・富裕層・経営者の保険×税務相談を多数担当。現在は都内法人を経営・インバウンド民泊事業を運営中。

【免責事項】
本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の投資・税務・法務行為を推奨するものではありません。記載内容は執筆時点の情報に基づきますが、最新情報や個別具体的な判断については、各分野の専門家(税理士・弁護士・宅建士・FP等)または公的機関にご相談ください。

【執筆・監修】
Christopher(AFP / 宅建士 / TLC)- 金融・不動産・法人実務の実体験ベースで執筆

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